2022.05.15

Column #4
マネジメント能力を高める
管理職初心者向けメソッド

社会貢献につながることを意識しながら、企業や組織の成果を上げるために経営資源(ヒト・カネ・モノ)を効果的に活用して目標達成を目指すことを「マネジメント」といいます。ビジネスパーソンの間で経済学の父、マネジメントの父と称えられているピーター・ファーディナンド・ドラッカーの1973年に刊行した著書「マネジメント」の中で提唱された言葉から生まれた概念です。
ただ、「マネジメント」は求められる役割や必要なスキルは多岐に渡ります。ここでは管理職初心者の方に向けて「マネジメント」の種類や役割を明確にしながら、「マネジメント」にはどのようなスキルが求められるのか?そして、それらのスキルを高めていく方法=メソッド導き出していきます。

リーダーシップとマネージメントの違い

「リーダーシップ」と「マネジメント」は同義語と使われがちですが、「リーダーシップ」は強い求心力を発揮して企業や組織が目指すべき方向を示すことが目的です。一方の「マネジメント」は、果たすべきミッションを達成するために、組織を運営する具体的な手段を示すことが目的。そして自社の利益を追い求めるだけではなく、企業活動が社会貢献につながることも考える責任があります。

<マネジメントの役割>
●組織の構築とミッションの達成

 掲げた目標を達成し成果を上げることで、
 組織の持続的な発展を目指す役割を担う。
●組織に関わる人材を活かす
 組織で働く人たちが仕事を通じて対価・地位を与えて
 「自己実現」する機会を設ける。
●社会に貢献につなげる
 自社や顧客だけの利益を追求するのでははなく、
 社会が求めるニーズに応える必要がある。

具体的にいうと「どのようなサービスを作るか?という方針を打ち出す」のがリーダーシップで、その「サービスの具体的な内容の考案・実地へと導いていくこと」がマネジメントの役割になります。

マネジメントの業務内容とは?

マネジメントを行うマネージャーの業務内容は主に「目標設定」「部下や従業員の動機付け」「部下や従業員の評価」「人材育成」の4つが挙げられます。これらのマネジメント業務を通じて、企業および社会の貢献へとつなげていきます。

<マネジメントの業務内容>
●目標設定
 「目標」と「ゴール」を明確に示し、実現に向けて何をすべきかを決める。
 それらを組織全体に周知徹底する。
●部下や従業員の動機付け
 仕事へのやりがいや、インセンティブ、昇格・昇給などによって、
 従業員のモチベーションの維持を図ること。
●部下や従業員の評価
 従業員を評価するための基準を設け、部下や従業員の分析・評価をし、
 それらをフィードバックする。
●人材育成
 部下や従業員のみならず、マネージャー自身も含め各々の能力や特性を
 発揮させる機会を設ける。

マネジメント能力を高めるメソッド

「マネジメント」を遂行する上で求められるスキルは「分析力・課題解決力」「プロジェクト管理能力」「意思決定力」「分析」「コーチング・フィードバック能力」の4つと言われています。残念ながらこれらは一朝一夕で身につくものではありません。

<求められるスキル>
①分析力・課題解決力
②プロジェクト管理力
③意思決定力
④コーチング・フィードバック能力

複合的なスキルが結集して培われるマネジメント能力は、「視座を高める」「状況を把握する」「課題を見つけ解決する」「意思決定するクセをつける」ことで日々鍛えられていくものです。他のマネージャーと自らを比較して弱点を洗い出し、一つ一つ潰していくというのも一つの手です。

<マネジメント能力を高める方法>
①視座を高める

 会社全体の仕組みや、自社のバリューチェーンがどうなっているかなど
 経営全般の知識を学び、経営視点を養っていくことを意識。
②状況を把握する
 自分と周りの人々との関係性や状況を客観的に観察。
 その状況で自分に何が求められている役割を考え、
 必要な行動を実行へつなげる。
③課題を見つけ、解決する
 論地的思考を持って問題の細分化と解決策を洗い出し、
 スピード、コスト、インパクトの中から
 優先度の高いものから実行に移していく。
④意思決定するクセをつける
 組織のビジョンや目標を正確に把握した上で、
 各選択肢のメリット・デメリットを挙げた上で選定。
 その結果を測定・分析する。
⑤コミュニケーション力を磨く
 明るく挨拶したり、常に話しかけやすい雰囲気を醸し出すなど、
 部下や従業員との良好な関係づくりを積極的に行う。

コロナ禍を経てリモートワークが常態化するなど、大きくビジネススタイルが変容。これまではうまく行っていたマネジメントにも大きな課題が生まれる局面もあるはずです。そんな時のために今から基本を立ち返り、社会貢献できる企業を構築しておきたいものです。近年は「マネジメント」を学べるオンラインセミナーなどもあるので、興味のある方は一度受けてみるのもよいのではないでしょうか?

参考文献:ピーター・ファーディナンド・ドラッカー「マネジメント」

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