2023.05.09

Column #6
ブランドイメージ向上につながる
「ウェルビーイング経営」とは?

働き方改革や働き方の多様化が進む昨今、注目されているのが「ウェルビーイング」。経済産業省による「健康経営」への関心も高まっている中、心身の健康のみだけでなくビジネスにも取り入れる企業が増えています。今回はそんな「ウェルビーイング」についてご紹介します。

ビジネスに活かせる「ウェルビーイング」とは?

「ウェルビーイング」とは、心身と社会的な面でも満たされた状態にあることを指す言葉です。職場で過ごす時間は一日の中でも大部分を占めるため、「ウェルビーイング」を重視した職場環境や制度の整っていることを重視している求職者が増えています。その一方で、従業員がポジティブな精神状態で過ごすことができると、個人のパフォーマンスが向上し、企業全体の成功へと繋がるといった企業側のメリットもあります。
そういった従業員が肉体だけでなく精神面でも満たされるように組織の環境を整え、従業員の意欲やエンゲージメントを高めることを、「ウェルビーイング経営」といいます

「ウェルビーイング経営」のメリット

オックスフォード大学経済学教授で、ウェルビーイング研究センター長でもあるヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ教授博士は「私たちの研究によると、職場でのウェルビーイングは企業のパフォーマンスを増強し、それにより新旧の才能ある人材を職場に惹きつけ、より長く留めさせると同時に、従業員全体の能力向上につながる」と語っています。
働きやすさや仕事へのやりがいなど従業員の満足度が高いウェルビーイング経営に努めている企業は、結果としてビジネスバリューとブランドイメージを向上させることになり、同時に離職の防止にもなり結果として人件費のコスト削減にもつながるのです。

職場でのウェルビーイングを高める方法

それでは、どんな要素が人材を職場に留め、職場から去らせるのでしょうか?そして、企業がその価値観やヴィジョンを労働環境にどう反映させればよいのでしょうか?
まず大切なのは従業員のウェルビーイングに影響する要素を割り出し、改善していくことが大切です。ペンシルベニア大学マーティン・セリグマン博士の提唱している、下記5つのウェルビーイングを高める要素を意識しましょう。

①Positive:ポジティブな感情
②Engagemen:積極的な関わり
③Relation:他者との良い関係
④Meaning:人生の意義
⑤Achievement:達成感

上記の5つの要素を意識しながら、職場のウェルビーイングを改善していく具体的な方法を7つご紹介します。

①個人の裁量を大きくする
従業員の研修を増やし新規タスクや自己解決できる範囲を増やすことで、
個人のウェルビーイングとパフォーマンスを向上できる

②チームで協同しながら働き方は柔軟に
働き方の選択肢を与えつつも、チームとしての帰属意識を失わせない工夫を。
従業員の心身と社会的にも満たされた状態が続くことで業績が向上する

③スケジュールを安定させる
不規則な仕事はプライベート時間の確保が難しく、心身の健康や睡眠に
悪影響を与えることも。スケジュールを安定させることにより
従業員のストレスが軽減

④職場の問題点を解決させる機会を与える
職場の問題点を発見し解決に向けて取り組んだグループは、燃え尽き症候群や
離職の減少。仕事へのエンゲージメントの上昇が期待できる

⑤人材不足を未然に防ぐ
長時間労働や膨大な仕事量を短時間でこなすプレッシャーは、健康と
ウェルビーイングに悪影響。人材を確保することで、
従業員のエンゲージメントの向上を

⑥ワークライフバランスに配慮する
年老いた家族や子どもがいる従業員は、家族の事情を理解してくれる
上司の存在にウェルビーイングを感じる。
結果的に離職率の低下や業績アップにも

⑦社会的帰属意識を培う工夫をする
サポートしあえるように企業文化を意図的にデザインする。
従業員の幸福度や満足度、目的意識の増加が図れ、ストレスを低減させる

いかがでしたでしょうか? 従業員の健康とウェルビーイングを大切する企業は、従業員からも大切にされます。従業員にとっても企業にとってもメリットのあるウェルビーイング経営は、これからの時代を強く明るく進んでいく道標となりそうです。

参考文献:Indeed “Indeed Work Wellbeing Score, Discover work wellbeing” , Harvard Business Review “7 Strategies To Improve Your Employee’s Health and Well-Being”

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