想像してみてください。あなたは明日、重要な得意先でのプレゼンを控えています。明日はいつも訪問している支社ではなく、コロナ前に一度行ったきりの本社への訪問。必ず成功させたいプレゼンなので、「まずは万全の状態で到着したい」。あなたが万全に到着するために、どのような前日を過ごすでしょうか? 仕事のできる人であれば、目的に到達するまでに順序立てて細かく予測を立てて行動していくことでしょう。今回は仕事のできる人が共通して持っているこの、「段取り力」について見ていきましょう。
段取り力とは?
段取りは、もともと歌舞伎の用語が由来で、一幕のことを「段」と呼び、舞台の運びを「段取り」と呼ぶようです。そこから、事が上手く運ぶように事前に準備することを「段取り」というようになったといわれています。目標に対しての事前準備や手順を整えていくこと=段取りです。
「目標」をきちんと定めてそれに向かって地図に道順を書き込んでいくのに似ています。段取りをする時にはまず、自分の現在地とゴール(目標)を明確にすることが大切。現状把握ができたら、手順を進めるにあたって出てくるかもしれない困難や不具合を想定し、万が一の場合に備えることも必要です。こういったリスクを予測することで、万が一にも何が起こっても、ダメージを最小限にすることができます。段取りをするには様々なスキルを要しますが、仕事ができるか否かを決めていく上で非常に重要な力です。
段取り力を強化する、優先順位と取捨選択する力
決断をするにはエネルギーを使います。段取りに時間がかかってしまうと感じる人は、優先順位をつけたり、物事を取捨選択していくときの決断に慎重だったり、苦手だったりするかもしれません。また、決断すること自体に慣れていないのかもしれません。タスクをリストアップし、それぞれの優先度を明らかにすることができたら、取捨選択の判断基準が一つ増えたことになります。はっきりとした目的を設定し、優先順位を設定するには、関連分野の情報収集を常に行い、メリットとデメリットを天秤にかけながら何が最適か見つけていくプロセスが必要です。
先にも書いたように決断するにはエネルギーが必要ですが、情報と経験がそれを補ってくれるでしょう。また、実際に仕事を遂行するときには「段取り」という地図ができており、その場で優先順位付けや取捨選択していく必要がありません。段取りのお陰でスムーズな業務遂行が可能です。
また、段取りの経験値をあげていくと、タスクの中にはルーティン化できるものが見つかってくるでしょう。ルーティンとして落とし込めるものがあればどんどん落とし込み、習慣化しましょう。毎回決断する時間を取られることのない恩恵は大きいです。
タイムマネジメントを意識すると生産性が向上
仕事をしている人の中で、家庭、子育て、介護、副業等、会社の他での活動に時間を充てなければならない人も増えています。なるべく残業少なく、最適な仕事を遂行するためにもタイムマネジメントが重要ですね。また、タイムマネジメントを意識すると、ゴールを常に念頭に置きながら仕事をすることになるので、生産性の向上にもつながります。タイムマネジメントのコツは、以下の7つです。
<タイムマネジメントのコツ>
①ゴールを設定
②タスクの優先順位を設定
③タスク完了のリミットを決める
④タスクとタスクの間に休憩を挟む
⑤中長期的目標や日々の業務の締め切りを設け、いつ何をすべきか考える
⑥取捨選択をする
⑦翌日のTo Doリストを把握する
いかがでしたか? 「段取り」という地図を描くことによって、全体像から細かいところまで見渡しながら、スムーズに仕事に取り組むことができます。仕事ができるかどうかを決める段取り力。ぜひ、この機会に磨いていきましょう。