昨今、よく耳にする「生産性向上」や「業務効率化」。これらを実現するためには個人のスキルアップや会社のシステムの導入することはもちろんですが、ベースとなる身体を整えることが最も重要です。今回は身体の調子を整える=良質な睡眠に着目。良質な睡眠へと誘ってくれる、現代のライフスタイルへ比較的取り入れやすいルーティーンをご紹介します。
そもそも「良質な睡眠」ってどんなもの?
寝つきが悪い、目覚めが悪いなどといった睡眠への問題を感じたことはありませんか?身体に悪いことには気がついていながらも睡眠を中心とした生活を送ることは難しい、そんな方も多いのではないでしょうか。自分は良質な睡眠を取れているのかをセルフチェックするポイントは「寝つきがよいか?」、「夜中に目覚めていないか?」、「起きた時に眠気が残っていないか?」の3つです。これらが1つでも当てはまる方は睡眠を改善する余地があります。逆に全く当てはまらない方は、良質な睡眠がとれているといえるでしょう。いずれにしても、まず自身の睡眠状態を知ることが大切です。
①寝つきが悪い
布団に入って眠りにつくまで、通常約15分はかかるといわれています。もしも布団に入って、すぐに寝落ちしてしまうというのは悪い睡眠の典型。慢性的な睡眠不足に陥っている可能性大。
②夜中に目覚めてしまう
夜中に目覚めてしまう要因として一番多いのは加齢。年を重ねるごとに眠りが浅くなってしまう傾向があります。また就寝前にアルコールやコーヒーなどを摂取すると、およそ3〜4時間後に利尿作用によって尿意を感じて目が覚めてしまうことも。
③起きた時に眠気が残っている
「サーカディアンリズム」と呼ばれる人が起きて寝るまでの1日のリズム、いわゆる「体内時計」が狂ってしまっている状態です。脳にある親時計と、全身の細胞にある子時計を調整する必要があります。
「良質な睡眠」のためにできること
ご自身の睡眠状態が分かったところで、「良質な睡眠」のためにできることを挙げていきます。これら全てを取り入れられれば理想的ですが、まずはできること、自身のライフスタイルに取り入れやすいルーティーンからはじめていきましょう。なかでも「①起床後、太陽の光を浴びる」「②朝ごはんをしっかり食べる」ことは、体内時計をリセットする作用のあるルーティーンです。ぜひ取り入れてみてください!
<良質な睡眠のためのルーティーン>
①起床後、光を浴びる
朝の光を浴び、体内時計をリセットする必要があります。天気が晴れでなくても効果があるので、朝起きたら窓を開け、身体に朝を知らせましょう。朝の光を浴びてから約14〜15時間後にメラトニンが分泌されるといわれており、夜に自然な眠気を促してくれます。一方で朝日を浴びた直後はメラトニンの分泌を抑制し、脳の覚醒を促してくれる効果も。
②朝ごはんをしっかり食べる
起床から1、2時間以内に朝食をとることで、体内時計を整える効果が高まるといわれています。また、メラトニンの生成の原料となるアミノ酸(トリプトファン)、ビタミンB6を含む食品の摂取を心がけましょう。
<トリプトファンを多く含む食品>
・大豆製品/乳製品/卵/ナッツ類/白米 など
<ビタミンB6を多く含む食品>
・魚類/乳製品/鶏肉/牛レバーなど
③適度な運動を取り入れる
日中に運動を行うと生活のリズムにメリハリが出て、身体もほどよい疲労感を覚えることで、自然な眠気から睡眠へとつなげることが期待できます。夜中に目覚めることが少なくなり熟睡できるように。
④嗜好品(コーヒー、アルコール、タバコ)は控える
覚醒作用のあるカフェインが含まれるコーヒーや利尿作用のあるアルコール類の就寝3、4時間前は控えるようにしましょう。ニコチンにも覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は控えるのがベスト。
⑤就寝前のブルーライトを避ける
就寝直前にブルーライトを浴びると、脳が日中であると勘違いし体内時計を狂わせます。就寝前は音楽を聴くなど、スマートフォンやPC画面を見ない楽しみを見つけるとよいでしょう。
⑥ストレスを溜めない
リラックスしている(副交感神経が優位になっている)状態は、良質な睡眠につながります。ヒーリング音楽を聞いたり、アロマを焚いたり、ぬるま湯に使って身体を温めるなどして、心身の疲れを癒やしましょう。
⑦アプリなどを導入する
睡眠の質やサイクルを知ることができ、第三者目線で自身の睡眠習慣を振り返ることができます。意識や睡眠を見直すきっかけができることで睡眠の質が高まります。
テレワークが定着したことによって通勤時間がなくなった分、朝の会議の直前に起きてしまっているという方も多いのでは?脳の働きが活性化していない寝起きの状態では業務に集中できない状態です。日常化してしまった習慣を少しだけ見直して、睡眠の質を挙げて生産性向上や業務効率化につなげていきましょう。まずは手始めに、朝の光を浴びるところからはじめてみてはいかがでしょうか?